“タキタロウ調査2014”の報告書が無料ダウンロードできます。
初めてタキタロウ調査が行われたのは1983年。以東岳に登山途中の4名グループが大鳥池の水面に、タキタロウらしき巨大な楔形の波紋を発見したことに始まる。
タキタロウというのは、大鳥池に古くから棲むと言われる巨大な淡水魚。成魚だと体長2mにもなるというが北海道のイトウとは違う。肌は強いぬめりがあり、口は逆三角形型、下あごがめくれ上がっていて、肉は赤身、脂が沢山のっている。警戒心がとても強く、大鳥池の水深が68mあるが、その奥深くで普段は暮らしているというが、寒露の時期になると溯上して産卵するという。地元の人から聞いた話でもこれだけ情報があり、「大昔は獲って食べていた」という話も聞く。
登山グループで発見されたというキッカケがあり、大鳥で古くから言い伝えられてきたタキタロウは、地元、旧朝日村、NHK、各種専門家が総力を上げ、3年間かけて調査を行うこととなった。当時の調査結果は『大鳥池調査報告書』という冊子名で山形県鶴岡市朝日庁舎に保管されていると聞くが、エコーサンダーを使った調査や潜水調査、水質・水温調査等々が行われ、かなり大規模に行われていたことがわかる。
時間を追いかけたNHKの放送もあり、タキタロウは一躍有名になった。追いかけるように矢口高雄著の『釣り吉三平』という漫画でも”O池の滝太郎”として紹介され、幾人もの釣り人はロマンを追い求めて大鳥池を目指した。
あれから30年。
かつてタキタロウ調査に参加した大鳥地域の方が、「小規模でも良いからタキタロウ調査をもう一回やりたい。」とつぶやいた事がキッカケで、今回の調査が始まった。
2015年9月、地元の人で構成される”大鳥地域づくり協議会”という組織が中心となり、タキタロウの調査を行った。地元(大鳥)の人、インターネットからの応募頂いた方々総勢14人で大鳥湖畔のタキタロウ山荘を拠点にして3日間、大鳥池にボートを浮かべて調査を行った。
※大鳥池は普段はボートを浮かべるなどは禁止なのですが、この時は特別に許可を頂いて調査を行いました。
詳細は報告書をみてもらいたいが、調査しているその時は、地元の人も、全国から集まった協力者たちも共にロマンの渦の中にいるようで、本当に得難い体験をした。報告書の後半では調査隊のメンバー全員がそれぞれ感想文に綴ってくれたので、そちらもぜひ眺めてほしい。
タキタロウ調査報告書2014 B5版 ダウンロード(PDF形式 4.82MB)
大鳥に来るときがあれば。大鳥池や朝日連峰へ登山するときがあれば。タキタロウのことを思い出して、少し胸を膨らませて歩いて頂けたら嬉しく思います。
調査報告書の完成披露と報告会も開催。
報告書の完成に合わせて、2015年3月に大鳥地域づくり協議会、調査隊メンバー、市役所職員、大学教授、新聞社の方々を呼んで、旅館朝日屋さんで報告会を開催しました。大鳥の観光施設「タキタロウ館」にも”報告書の冊子”が置いてありますので、大鳥にお越しの際はそちらでもご覧頂けます。
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