| 本日の取扱い商品 |お米(山形95号 令和4年産) 民俗誌『大鳥の輪郭』
佐藤ゆきさんは、大鳥地域繁岡集落の出身。中学校を卒業してからは家の農業の手伝い、冬は編み物をして暮らした。旅館朝日屋の長男、佐藤征勝さんとの結婚を機に旅館で働き始め、半世紀もの間、厨房に立ち続けてきた。山菜・キノコなどの田舎料理、馴れずしや笹巻、お餅、漬物といった伝統食は、親や地域から受け継がれ、要領をえたゆきさんの掌で今も再現されている。あっけらかんとした人柄と素朴な手料理に胃袋をつかまれた釣り人たちが毎年のようにお土産を持っては訪れ、元気になって帰っていく。
今回は、正月料 ...
クマやカモシカが森に生き、
岩魚やカジカが川に棲む。
雪に押された地表から山菜が育ち、
風や雪で倒れた木から茸が出る。
ムラとして始まって八〇〇年以上
大鳥はずっと、山と共に生きてきた。
一年後も、一〇年後も、一〇〇年後も
山の恩恵を受け続けられるようにと、
動植物を頂くことも、
遠慮することもしてきた。
山の神から授かったクマは
みんなで分け合ってきた。
今にも途切れそうなムラの歴史と
森の中で育んできだ民俗知を
次に繋いでいけるように。
大鳥てんごは、大鳥に根を張り、
山のモノを生業とするムラ人を
増やしていきたいと願っています。
背丈以上の積雪に覆われる冬。
雪の重みで折れた大木から
自然の成り行きに任せて
茸が生えてくる。
茸が出そうな倒木や枯れ木を
春先から少しずつ調べておき、
夏の終わり頃から
大鳥の人たちはてんごを背負って
山にいく。
慣れた足取りで藪をかき分け、
蔓をかわし、枝を掴んで
旬の茸を探し当てる。
土や葉が付かぬように採取して、
形が崩れないよう柴で包む。
こうして採られた茸は、
キヅケを取り、洗って選別し、
一袋ずつ梱包して送ります。
採れたての香りと食感、
山の名人が採った選り茸を
ぜひ、味わってみてください。
※てんご=山に背負っていく手籠
このサイトの主役は大鳥地域。
食文化・歴史・民俗・生業・自治…
地域で起こってきたことを
すこしずつ、すこしずつ
書き綴っていきます。
山のモノを鮮度の良い状態で
送ることはもちろん、
その背景にある地域の営み、
暮らしを支える山のことなども
お伝えしたいと思っています。
山のごっつぉが食卓に並んだら、
ほんの少しだけ、
大鳥を話題に入れてもらえると
うれしいです。
大鳥てんご管理人
田口 比呂貴