山のめぐみ図鑑

リュウキンカ|立金花 冬菜

春一番の山菜といえば、フキノトウを上げられることが多いですが、それよりも早く春の訪れを告げる山菜がリュウキンカ(立金花)。キンポウゲ科の多年草で、立は茎が立ち上がる性質を、金花は黄色の花を意味しているそう。大鳥ではフユナ(冬菜)と呼ばれています。

雪解けした道端の水路や沢のへりなど割と日当たりが良いところに株のようになって幾つも黄色い花を咲かせる。4月上旬~中旬頃、若芽を折って採取する。茎の内側は空洞なので簡単に折れる。

アクが強めなので、苦味が好きな人向けの山菜。大鳥ではあまり食べる人がいない。食べすぎると下痢を起こすこともあるのだとか。ちなみに、春の冬眠から目覚めたツキノワグマは、アクの強いフユナや水芭蕉を食べてわざと下痢をおこし、お尻の穴に詰めていた松脂などのツッケー(つっかえ)をとるそうです。

時期が過ぎたフユナ。

フユナのお浸し。3~4センチに切り、さっと茹でて水で冷やしたのち、絞って水気を少し取り、醤油を垂らす。シャキシャキとした食感で、ほろ苦さが口に残る。卵とじもおススメ。

 

■参考文献

山渓名前図鑑 野草の名前 春―和名の由来と見分け方 (山溪名前図鑑)』高橋勝雄 山と渓谷社