ブナハリタケ|山毛欅針茸 カノカ
大鳥では”カノカ”、もしくは”ブナカノカ”と呼ばれるキノコ。白く、扇形をしていて、折り重なるように生えるので、一本から数十キロ採れることも珍しくない。主にブナの枯れ来に発生し、傘の下面に針がビッシリと生えていることから”ブナハリタケ”の名がついたと言われる。
岡村稔久著の『日本人ときのこ』では江戸末期に東北を旅して紀行文を書いた菅江真澄の『遊覧記』について紹介し、そこでブナハリタケに関する記述に触れている。
「(青森県十和田周辺では)倒れた木や立木の朽ちたモノに鹿皮茸、剥き茸にまじってツキヨダケが生えていた。これは毒の多いきのこであろう。」
※鹿皮茸=ブナハリタケのことで、カノカワタケと読む。
「秋田湯沢では人家にキノコが沢山干してあった。はきもたせ(ホウキタケ)、舞茸、貫打(エゾハリタケ)、しいたけ、ししたけ、しめじ、なめらこ(なめこ)、まかね(キシメジ)、むきたけ、かぬか(ブナハリタケ)、さもたせ(ならたけ)など。それを汁の実とし、おかずにもする。また、漬けてすしにしたり、香物として朝夕の食前に出したりしている。」
9月~10月初旬、ブナの枯れ木や倒木に群生する。ブナ林帯のキノコの中では特に香りが強いので、少し離れた山道を歩いていても気が付く。採取は素手でむしり採ると早いが、ナイフで一つ一つ切り取れば木屑などが付きにくく、後処理に困らない。水分を多く含むので、ビニール袋に入れたらギュッと水を絞って軽くし、袋に隙間が出来ないように圧縮して口を結び、持ち帰る。ブナハリタケは繊維質で丈夫なので型崩れしない。石づきは少し硬いのでハサミなどで切り落とし、30分ほど水に浸して虫や木屑を浮かせ、洗い流す。保存する場合、沸騰したお湯でサッと茹でる。その後に塩漬けにするか、水分を絞って冷凍する。
香りが強いと感じる場合は、一度茹でこぼしてから使うと良い。お吸い物、煮物、油炒め、和え物、天ぷら、炊き込みご飯などで食べる。
■参考文献
『きのこの呼び名事典 写真でわかる』 大作晃一
『日本人ときのこ (ヤマケイ新書)』岡村稔久
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原木ブナハリタケ(カノカ)|塩蔵
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