大鳥のこと

大鳥地域とは

山形県鶴岡市の山奥にある小さな村、大鳥。標高は300mにも満たないが、冬には積雪2m以上にもなる、県内では指折りの豪雪地帯。広大なブナ林に囲まれた小さな山間地域です。大朝日岳へと続く朝日連峰の北の玄関口であり、以東岳の中腹には伝説の巨大魚タキタロウが棲む大鳥池がある。

山にはクマやカモシカ、ノウサギ、ヤマドリ、サルといった野生動物たちが棲み、コシアブラ、山ウド、ウルイ、コゴミ、ゼンマイといった山菜が太く、柔らかく育つ。舞茸、もだし、ヒラタケ、なめこ、クリタケといった茸が、冬の雪の重みによって倒れた木々から出てくる。田んぼに清流をもたらす川にはカジカや岩魚が棲む。

山々の資源に恵まれた大鳥は、村として始まった800年以上も前から狩猟・採集を生業の中心とし、山菜採り、茸採り、薬草採り、稲作、畑作、ウサギ狩りやクマの巻狩りを行ってきた。大鳥の人たちは山に暮らし、山の恵みを糧とし、山に生かされてきた。


大鳥鉱山 寿岡選鉱場跡地

明治時代には大鳥鉱山が繁栄し、「全山一家」を合言葉に全国から人夫が集まる、鉱山の村でもあった。よろず屋や銭湯、居酒屋、散髪屋、映画館、ガソリンスタンドなどなど…。山奥の小さな村とは思えない程に暮らしぶりが豊かで、昭和中期には1315人も暮らす地域であったが昭和54年に鉱山が閉山になって以後、人口減少の一途をたどり、現在では高齢化率70%、80人にも満たない村となっている。

地域のおじいちゃん、おばあちゃんは、季節に体を委ねながら細々と、山の暮らしを続けている。脈々と受け継がれてきたマタギ文化も首の皮一枚で、繋がっている。

世界の中の日本、日本の中の山形、山形の中の鶴岡、鶴岡の中の大鳥。

聞いても一瞬で忘れてしまいそうな地名ではあるけれど、この場所で先人が歩んできた軌跡を、山から得た知識を、育んできた知恵を、”大鳥てんご”上で記事にして残し、伝えていきたいと思います。

広大なブナ林に関わってきた大鳥地域がこれからも繋がっていきますように。