山のめぐみ図鑑

クリタケ|栗茸 アカモダシ

傘が褐色で、”モダシ”にもやや似ていることから来ているのか大鳥では”アカモダシ”と呼ばれる。由来は、クリの木によく発生し、傘が栗色であるからその名がついたからだとか。傘は幼菌で直径3㎝程度ですが、成長すれば5~8㎝になり、軸は繊維質で丈夫。晩秋に出るキノコなので、出始めると茸シーズンの終わりを感じさせる。

岡村稔久著の『日本人ときのこ』で史上の栗茸について文献を通じて紹介している。室町時代の国語辞書「節用集」ではクリタケを意味する”茅茸”の記述があり、1802年に滝沢馬琴が著した俳諧の季語集『俳諧歳時記』にも”栗茸”の記述がある。

秋~晩秋に広葉樹のナラ、クリ、ブナなどの枯れ木、切り株、埋もれ木などに出る。採取は根元からつまんで採るが、土の付着が気になる場合は根元にナイフを入れる。傘が崩れないようビニール袋にいれる。持ち帰ったら軸の先が硬いものはハサミなどで切り、生食は毒なので必ず火を通して使う。保存は天日干しにするか、茹でて塩漬け。

シャキシャキとした歯切れで、風味が良いので良いダシが出る。油炒め、煮物、汁物、炊き込みご飯、キノコ鍋などにして食べるのがおススメ。

■参考文献

きのこの呼び名事典 写真でわかる』 大作晃一

日本人ときのこ (ヤマケイ新書)』岡村稔久

よくわかるきのこ大図鑑―場所 かさ 柄 胞子』小宮山勝司

『採れたて田麦 田麦俣の山菜・きのこの味』鶴岡市企画部地域振興課