山のめぐみ図鑑

ウド|独活

“ウドの大木”で知られるウド。ウコギ科タラノキ属の多年草です。茎の中はスカスカで、「茎の中が空っぽのこと」を方言でウドと呼ばれることが語源だとか。5月中旬になると雪の消え間から顔を出す。陽あたりの良い、山の斜面、砂利の斜面に生えることが多い。若芽の時は茎に細かく毛が生えている。

20~30cmくらいに伸びた若芽で、なるべく太いモノを土際の根元から手で折ったり、ナイフを入れて採取します。掴まれる柴や木々・枝がない険しい斜面に生えていることもあり、採るのに苦労することもある。毎年同じ場所から採るとウドも細くなっていくので、年々採り場所を変えながら採取したほうが良い。

てんごがいっぱいになる程採れたら、鮮度を保つためにてんごごと沢水に付けておく。採集後にそのまま放置しておくと葉のみずみずしさがなくなってしまう。持ち帰ったウドは旬のうちに食べるか塩漬けにして保管されます。

多少旬が過ぎたウドでも、自宅用には申し分ない。根っこから採ってきて自宅の畑や転作田に植えて育てることもできる。大鳥の人曰く、植えてから三年もすると根が大きくなって、いくつもウドが出てくるが、1つ1つが小さくなるので肥料をあげることもあるそう。

大鳥の人がぜんまい小屋稼業で奥山に一ヶ月も泊まり込みをしていた時代には、ぜんまい採りのついでにウドやウルイを採って山菜汁にしたりもしていた。お盆には精進料理として仏様にお供えする料理のひとつに、ウドの天ぷらもあった。また、ツキノワグマやカモシカもウドを食べるのだとか。

山ウドは独特の香りとエグ味がある。天ぷらにしたり、根に近い茎の部分はけんちん汁に入れたり。炒めもの、皮を剥いて生のままサラダにしても食べられる。汁物にして、そこに酒粕も入れて一緒に食べる。また、一本まるごとバーベキューで焼いても良いし、ホイル焼きにしてバターやマヨネーズ、味噌などに漬けるとホクホク柔らかでとても美味しい。

 

■参考文献

野草の名前秋・冬―和名の由来と見分け方 (山渓名前図鑑)』高橋勝雄

採集―ブナ林の恵み (ものと人間の文化史)』赤羽正春

大鳥の献立

ウドとしいたけと鶏肉の炒めもの

作り方 ①フライパンにバターをしき、溶けはじめたらすりおろしたにんにくを入れる。 ②ニン …

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ヤマウド

5月中旬頃にもなると、雪解け後の山あいの崩れやすい斜面からウドが生えてくる。20~30cmくらいに伸 …
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