ブナハリタケのコリコリとした食感と、口の中でジワーっと広がるクリーミーな味が好き。煮物やお吸い物、炒め物は大鳥の人が何度も食べさせてくれたけれど、何を食べても美味しかった。

その味を自分でも調理したいと思って「ブナハリタケ料理の取材をしたいです。」と繁岡集落の工藤定子さんに声を掛けさせてもらった。定子さんは大鳥にお嫁に来てから50年以上になるが、縫製会社に勤めたり旅館を手伝いながら山の料理を覚えていったそう。

半年間樽の中に眠っていたブナハリタケを引っ張り出し、昨晩から塩出しをしておいてくれた。「これはいいカノカだはけ。貰ったやつだともな。」と見せてくれたのは手の平ほどありそうな立派なブナハリタケ。ザルにあげて洗うと、手で絞らずにそのまま鍋へ。絞ると炒めている時に水分が足りなくなるんだそうです。人参、調味料を入れたら火にかけて5分ほど炒めると完成。

「味みてみっちゃ。」と言われるがまま食べると、やっぱりあの味。塩漬けなら一年中食べられるのがまた嬉しい。「あと、昔は和え物もするんだっけ。クルミ和え。」と付け加えてくれた。

※大鳥ではブナハリタケのことを”カノカ”とか”ブナカノカ”と言う。

取材日：2018年4月22日　撮影：伊藤美加

ブナハリタケの油炒めの作り方

材料

• ブナハリタケ　　－　　700g
• 人参　　　　　　－　　1/4本
• 油揚げ　　　　　－　　2枚
• 醤油　　　　　　－　　大さじ3
• 砂糖　　　　　　－　　大さじ1
• 酒　　　　　　　－　　大さじ3
• ダシ　　　　　　－　　小さじ1
• 油　　　　　　　－　　適量

作り方

１．ブナハリタケを水で洗い、大きいようであれば食べやすいサイズに割く。人参は短冊切りにしておく。

２．ブナハリタケ、人参、油、ダシ、酒、砂糖を鍋に入れ、火にかける。

３．少し煮立ったら醤油を入れる。

４．油揚げを入れ、中火にし、煮えたら完成。