オオバギボウシ|大葉擬宝珠 ウルイ
ユリ科ギボウシ属の山菜。葉が他の仲間より大きいから大葉、つぼみが橋の欄干の擬宝珠に似ていることか大葉擬宝珠という名がついたそう。また、東北ではウルイの名で知られ、大鳥でもそう呼ばれている。春先の若芽の頃の葉がウリ類の皮に似ていることから瓜菜が転訛したという説がある。
5月中旬頃から、日当たりのよい湿った崖や沢沿いの岩場で見かけることが多いので、場所によっては危険を伴うことがある。水気がある滑りやすい岩場なので、足元には十分注意。採取は葉が開ききらないうちに土際の根元からもぎ取る。採集したら沢水などに浸してから持ち帰る。丈夫で株が増えやすいことから山のウルイを自宅の堀近くや湿地に移植して、畑で採集する人もいる。
成長して葉が大きく開いたものも食べられるが、多少苦味があるので、調理の際は茎の部分だけを使うのが大鳥では一般的。保存は行わないが、地域によっては乾燥させ、ヤマカンピョウという名で保存食として利用されているそうです。
シャキシャキとした食感で、多少ヌメリと苦味がある。採取したらそのまま調理ができる。サッと茹でたものを適当な長さに切ってマヨネーズに漬けたり、クルミ和え、胡麻和え、酢の物、汁物などに合う。山菜汁の具材としてもよく使われる。
江戸時代後期に米沢藩が飢饉に備えて作った”かてもの”という本の復刻版 読下し本では、”うるゐ”と書かれ、「茹でて食う。もしくはカテモノとする。」と書かれていて、シンプルな食べ方がされていたようだ。
■参考文献
『山渓名前図鑑 野草の名前 春―和名の由来と見分け方 (山溪名前図鑑)』高橋勝雄
『山菜 (山渓フィールドブックス)』木原浩
『よくわかる山菜大図鑑―新芽 葉 実 花』今井國勝/今井万岐子
『食べて効く! 飲んで効く! 食べる薬草・山野草早わかり』主婦の友社
『とれたて田麦 田麦俣の山菜・きのこの味』鶴岡市地域振興課
『かてもの<復刻版 読下し本>』米沢藩