カモがあぁなってこうなって肉になり、鴨南蛮にして美味しく食べた。カモ解体イベント「いのちがお肉にかわるまで」開催レポート
※本記事ではカモ解体途中の画像を掲載してますので、抵抗ある方は読まないことをお勧めします。
昨年のイベントレポートはこちら。
「屠殺されたばかりのカモをまるまる一匹解体して、打ちたてのお蕎麦とあわせて鴨南蛮で頂いちゃいましょう」という至極贅沢な企画が、2018年11月25日に大鳥自然の家で開催された。カモの解体イベントは昨年に引き続き2回目で、大鳥のベテラン猟師さんが講師となって指南してくれる。
当日の朝、地元の猟師3人でカモを獲りにいった。10日近く雪と雨の日が続いていたが、今日はとても気持ちいい青空。生き返ったように村人が畑の大根を掘っている。目当ての池には6羽の飼いカモと、4羽の野生のカモがいた。じっくりじんわり、足音を立てずに池に近づき、射程距離に入って構えようとしたその瞬間、3羽が飛び立った。「あっ!!!!!!」っと、慌ててしまって、装弾した3発が全て空鳴り。………、なんとも言えない気持ちのまま残りのカモを獲って自然の家に戻った。
既に参加者が集まり始めていて、時間になるとオリエンテーションが始まった。今年は17名の参加で、昨年も参加してくれた人や、今年狩猟免許を獲ったので実践で解体方法を学びにきたという人もいた。大鳥自然の家の会長のご挨拶や参加者の自己紹介が終わって解体現場へ行くと、朝に屠殺したカモたちがズラッと並べられていた。今回のカモはマガモの雄/雌とキンクロハジロ。ちなみに大鳥では雄のマガモを”アオクビ”と云う。グループごとにカモが渡されると、協力しながら体毛を手でむしる。参加者の方々は手際がよく、ものの数十分でカモが裸になってしまった。肉が焼けない程度に産毛をバーナーで炙ると、いよいよ解体。手足の付け根にナイフで切れ目を入れ、間接をゴリゴリしながら切り離したり、胸の骨をベロッとめくったり、心臓が意外と小さかったり、砂肝にほんとうに砂が入っていたり…。解体はやってみると結構な手間暇が掛かるのですが、カモを触ったり、観察する中で色々と感じるところがあったようで、「カモの首を掴んだ時の感覚が残ってる…」と、振り返りの時に教えてくれた人もいました。解体が終わるとお待ちかねの昼食。解体されたばかりの鴨で作ったお汁にザル蕎麦、大鳥で獲れた野菜の漬物や茸のお吸い物が並ぶ。脂で表面がピカピカの鴨汁に打ちたてのお蕎麦を入れ、いただきました。それはそれはもう、美味しかった。カモ、絶品です…。今年のカモを逃した方は、ぜひ来年お越しくださいませ。
文:田口比呂貴 写真提供:三浦一喜
屠殺についてちょっと学びたいという方は下記リンクの記事を見てみてください。
参考:鳥獣の屠殺は、いつから身近じゃなくなった?|大鳥てんご
もっと詳しく知りたい方は、下記本を読んでみるのもよいかと思います。